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2018年9月7日 東日本入国管理センター面会記録

Mさん(中東アジア出身男性) 

30代後半

2013年に来日。空港で入管に拘束され収容される。2015年 仮放免の延長手続きの際に再度拘束され、東日本入国管理センターに収容される。

 

イスラム圏の母国で反政府活動に加わり、14年前にはゾロアスター教に改宗。家族も含めて迫害を受ける恐れがあり、出国。

2018年11月で3年間収容されていることになる。

 

「母国を出国後、南アジア、ヨーロッパ国家、北欧、東南アジア、中東イスラム国家など5カ国を渡り歩いた。6番目に訪れたのが日本だったが、それが大きな間違いだった。

日本は優しい安全な国というイメージがあった。入管に拘束されている他の人たちもそう思っていた。しかし、入管に拘束されてみんな驚いた。

 

入管が行なっているのは拷問だ。心の拷問、精神の拷問だ。私たちは入管の実験材料だ。

 

朝起きて、同じブロックの人たちの顔をみるとみんな病気だ。入管に拘束されてみんな頭がおかしくなった。毎日、仮放免と在留資格の話をしている。そんな話ばかりだ。私は3年間同じ話を聞いている。いいニュースはない。

 

そのうち必ず大きな問題が発生する。

 

ここで捕まっている人たちの半分ぐらいはここでの生活に耐え、辛抱強く出所できる時を待っている。残りの半分はもう我慢の限界だ。リミットを超えている。いつ誰が自殺してもおかしくない。

 

日本の入国管理制度は、国際連合に加盟する国の中で特異なのではないか。私と同じように母国を逃げた人はみな日本以外の国で在留資格を取得した。一番長い人でも2年で取得した。

 

私は30代前半の時に来日し、在留資格を得られないまま5年経った。もう私の人生は終わりだ。30代の貴重な時間を無駄にした。今はなにも勉強したくない。入管に収容される前はもっと日本語が上手かった。覚えた言葉を次々に忘れている。

 

私は母国から逃げ出したが、今は日本から逃げなければならなくなっている。他の国に行けるのならば、イスラム教国以外であればどこへでも行く。

 

外国人のことが嫌いなら、日本は世界に向けてそう言えばいい。表面ではいい顔をする。難民を助けると言う。全て嘘だ。なにもやらない。日本の入管のことを世界が知れば、みな日本人を嫌いになるだろう。日本ははっきり言えばいい、難民はいらない、と」