· 

2019年8月7日 東京入国管理局面会記録

Pさん 南米出身

 

(SYIさんが作成した

ハンガーストライキ自己管理概要https://pinkydra.exblog.jp/28472794/  

と青汁を差し入れました。差し入れたハンスト自己管理概要(英語ver)を見て)

「これすごくいいわね。助かるわ。ありがとう。(ある弁護士の連絡先を教えて)

この人知ってるわ。でも、弁護士に何を話したらいいのかわからない。裁判って大変だし、裁判しても……。けど、ありがとね」

「ハンストを始めてから、身体がすごく変わったみたい。あんまり眠れなくなった。頭(の働き)も体(の動き)も遅い。なのに感覚は過敏になって、テレビの音とか周りの人の話し声や音がすごく(痛いくらいに)大きく聞こえるの。」

メンバー「体重は測っていますか?」

「まだ職員にハンストしていると言いたくないの。だから測ってない。」

メンバー「ハンストの書類を差し入れたので、気付かれてしまったかも…」

「うーん、(受付の人たちは)内容はチェックしてないでしょ。上の人たちのところに持ってかれてたら気付かれるだろうけど。きっと大丈夫よ」

「茨城でハンストした人は、二週間でまた捕まったのよね?どれくらいハンストしてたの? ひと月以上?それはすごいわね……。」

 

「塩と砂糖は中にあるから大丈夫。摂ってる。自分の身体を傷つけたくてハンストしているんじゃないの。身体がダメになったら意味がない。

私は外に出たい。子どもたちと一緒にいたい。決めたの。大変だけどやり遂げる」

「ハンストしてること、家族や子どもには伝えてないの」

 

「他にハンストを始めてるのは、昨日話したアフリカのRと、アジアのHとアジアのJ、アジアのPよ。みんな某ブロック」

「仮放免申請を出したら、普通は2~3カ月で結果が出るはずなのに、4カ月後にやっと結果を知らされた人がいたの。却下だったんだけど。本当はもっと前に結果が出てたのに、本人に伝えるのだけ遅らせたらしいわ。結果が出たら、すぐに教えたらいいのに」

「入管の職員は、私が帰ったら子どもたちにビザを出すし、子どもたちに私(母親)は必要ないと言うの。私を追い出すことで何が変わるの? どうして外に出してもらえないの?

 

(私にも)ビザを欲しいとか言ってない。(私は)仮放免だけでいい。子どもたちと一緒にいられたら、それで大丈夫なのに。長女の高校卒業を外で、子どもたちの傍で見届けたい。そしたら帰るから、少しの間外に出してといってるだけなのに、耳を貸してくれない」

 

「娘は、ママが帰るなら自分も一緒に行くと言ってるの。でも、母国にいる私の母は、子どもたちを連れてきたら、すぐにダメになっちゃうから、連れてきてはダメって。

南米は難民がたくさん来て社会が動揺してるし、もともと治安もすごく悪い。

日本みたいに、子どもたちだけで遊びに行くこともできないの。

南米で育つ子なら、危険なことを避ける方法を身につけながら育つ。でも、日本の子はそうじゃない。日本で育った子をコロンビアへは連れていけない。かわいそう。

入管は私の子にビザを出すと言ってるけど、子どものためではなく、国のために役に立つと思っているから。

(国が子どもに)こんなことをしていたら、いつか償わなければならない時が来るわよ」

 

Bさん アジア出身

Tさん 中東出身

 

Bさんの体調

・めまいがある。

・血圧が低い。

・(こぶしをギュッギュっと握るジェスチャーと一緒に)心臓がきつい。

 

Tさんの体調

・心臓がどきどきする。

・めまいがある。

 

この間、ハンストをしていた東アジア出身の女性がムリヤリ(強制送還)されたそうです。

彼女は収容されて4~5カ月の人で、ガンを患っているため、胃カメラなどの検査をしたいと希望していました。

正確な日付を聞くのは忘れましたが、この間の朝4時に眠っていたら、突然4人の職員が押し入ってきて、彼女にこれから強制送還すると一方的に告げて、連れ去ったそうです。

 

その様子をずっとカメラで撮影している職員や、チケット係の女性もいたそうです。

女性が連れていかれてから、職員だけ戻ってきて、彼女の荷物をまとめていきました。

 

 

Bさん「ムリヤリはいつも朝の4時~5時ごろ。仮放免延長の日に捕まって、4~5日後にムリヤリされた人もいました」

 

ハンストをしている女性が集められているブロックの部屋に、南アジア出身の女性が、8月初旬に移されてきたそうです。彼女の氏名や、いつからハンストをしているのかなどの情報はまだ不明です。

Bさん「(ハンストをはじめてから移された部屋では)カメラでずっと見てる。フリータイムは(その時間を、ハンストをしていない)他の人とずらされてる。時間も短い。午前中に1時間、午後に1時間だけ。

どうして(フリータイムをずらすのか)。(自分たちがハンストしてない人と会うことの何が)問題なのかわからない」

 

Bさん「まだ元気だから、掃除はできてます」

Bさん「ほかのブロックの人が、4人帰る予定でいるみたい。みんな諦めて、帰る人が増えています」

Tさん「(2018年)12月中旬に入管に来ました。その前は、(日本に来てすぐ)数日間、成田の収容所に入れられていました。日本へは母と赤ちゃんの弟と来ました。母は糖尿病があるし、弟がいるから仮放免が出た。母はここには入れられませんでした。成田(の収容所)だけ。母は日本で暮らしている親族と一緒にいます。最近、難民申請を却下されました」

 

Bさん「普通は、難民申請の結果が出るのは、もっと時間がかかるの」

 

Tさん「仮放免も、「逃げるからダメ」って……。でも、日本のこと分からないし、どこにも逃げない。(外に出られたら)家族と一緒にいる」

 

Tさんには、牛久に収容されているお兄様がいます。

牛久で面会をしているメンバーが、お兄様と面会して、「あなたを愛してるから大丈夫」というメッセージを預かりました。

お兄様からのメッセージを面会の最初にお伝えしたら、とても喜んでくださいました。

牛久で捕まっているお兄様は、入管が仮放免を出すと約束して、奥さんも迎えに行くらしい。けど入管はその約束を守るのだろうか、兄は本当に出られるのだろうか、と心配していました。

お兄様がどんな様子でいるかも、しきりに気にされていました。

 

Tさんは、不安がって怯えてはいますが、自分の置かれた状況に立ち向かおうとしているように見えました。まだあどけなさの残る、かわいらしい人です。早く解放されて、家族の元へ帰れたらいいのに…。

 

一緒に面会をしたBさんは、Tさんが勉強を始めたばかりの日本語で話している時は、姉のようにやさしいまなざしで見守っていました。

ハンスト中に強制送還をされた東アジア出身の女性は、「Kちゃん」と呼ばれていたのは知っていますが、氏名を明かすのも面会も控えたいということだったので、ほとんど情報がありませんでしたし、彼女がガンを患っていたことも、この日の面会で知りました。

まさかハンスト中の人を強制送還するとは思っていなかったので、少しショックを受けています。

同じように収容されている人が、あんな風に強制送還されるのを目の当たりにするのは、辛いのではないかと思いましたが、収容されている人に直接尋ねることはできませんでした。