Sさんインドネシア女性
身体が痛い。めまいは副作用の出た薬を辞めたら収まった。肩と胸が痛い。
ご飯は少しだけ食べれる、甘くてあまり食べられない。
来月13日の難民審査がある。もし通らなかったら無理矢理帰されるかもしれないのが怖い。
外部の病院に行くと医師が「帰れ帰れ」と言うのでその事を考えると具合が悪くても病院に行くと言えない。
少し遠い外部の病院の医師である。
入管の医師も帰れ!(彼女の持病に関する)薬をあげることは出来ない、と言う。
1回目の仮放免の書類を出してから1週間が経つ。
朝は毎日パン卵小さいミルクのパックの食事。昼と夜は「弁当」「弁当」のおかずは日本風である。
Sさんは宗教的な理由で牛肉抜きの「弁当」を選んでいる。
Aさん。足が時々腫れる。右半身、右足、右胸が痛む。倒れた時にだけ病院に行くつもりである。右胸の内側が傷の様に痛い。同室の人から痛みのあまりうなされていたよと言われる。担当に言えず我慢している。
3回目の仮放免申請が駄目になった。4回目の仮放免の保証人、弁護士を息子さんが探している。明日で入管に入って11ヶ月経つ。病気などの診断書を書いて難民申請をしたいのに、ここに居ては取れない。どうすればいいか。
国で命が危なくなって逃げて来る時に、その国の政府の証拠を持って来れますか?
日本はすごく酷い。
午前の面会を済ませて。
7Fの面会者待合室のロッカーの上に新たな監視カメラが1つ設置されていた。7Fの壁にラマダーン期間限定のナツメヤシの差し入れを条件付で認めるとの貼り紙。(通常は飲食物の差し入れは駄目である)
BさんCさん兄弟。Bさんは具合が悪い所は無いが、外では大丈夫だったのが、ここに来てから便秘になった。余裕のある人は2日に1回の買い物を許可されているのでインスタントコーヒーや、ティーバッグや軽食(ビスケットなど)を買う事が出来る。
BさんCさん兄弟共に宗教的な理由により豚とタコ、カニ、アルコールの入った物は絶対にNGである。Cさんは外で美味しいマトンが食べたいと、しみじみ言った。Cさんは入管に来てから魚を食べてない。Bさんは入管の魚は古い匂いがすると。
NG食は言うと出なくなるが、コロッケばかり出て来る。
10Fの人は運動場から太陽は見えないし、当たれない。
Iさんトルコ国籍クルド人。
いかにも沈んでいる様子。
ご本人も「元気じゃない」と。
今、入管関係が厳しくなっている。今迄は「何も無い人」ならば6ヶ月で大抵仮放免になって居たのに。
Iさんは先週精神病院に連れていかれた。「気分が落ち込んでいる。入管にいる限り良くならない」
「もし病名がついたら暴れてやる」
仮放免が却下されたばかり。
また次の仮放免申請まで二ヶ月、三ヶ月待たなければならない。
「長いですよ。外にいると短いと思うかもしれないけれど、すごく長いですよ」
ととても沈んだ面持ち。
「次も却下されるかもわからない」
しばらく沈黙が続く。かける言葉が見つからなかった。
Iさんは7ヶ月目で出した仮放免申請が通らなかった。職員と喧嘩した時に「おまえ」と言う言葉を使ったら「あなたはそう言う言葉を使うレベルでは無い」と言われた。
今日の職員はクソ、明日の職員は良いグループだ。その繰り返し。外国人が好きでこの仕事に就いている職員も居る。外国人が嫌いな職員もいる。
Iさんが暴れた時ビデオを回しながら押さえつけられた経験がある。
上階の収容エリアで「僕が仮放免の審査係だったら仮放免出してあげるのにな」と言ったのと同じ職員が、次捕まった時下階(審査するフロアのことか)で入管に収容する審査官をしていて二面性にショックを受けた事もある。
油とアルコールがNGな方にコロッケが弁当に入って居た事があり、職員に告げたら「今日はこれを食え」と言った。後になって「すみませんでした」と言って来た事が有る。
日本で自動車の大型免許を取ろうとしていて、検定だけ残って居た時に捕まった。
大型免許を取るのに40万円ぐらい支払ったのに。
8人部屋にいる、テレビを見たり、雑誌を見たり。
Iさんは15歳で日本に来て今22歳だが、ずっと働いていた。
小学生向けの勉強を、1年生、2年生と進めて、今3年生の勉強をしている。
出たら1カ月くらいのんびりしたい。食べたい物を食べて、日光に当たりたい。
1Fや6Fで入管職員が訪ねてきた外国人に対して「ビザを取り上げるぞ」と脅しているのを度々見た。
一昨年おばあさんのビザを取りに入管に来た時タイかベトナムの人がちゃんと待ってるのに職員2人がかりで「謝れよ!」と激しく言っているのを見てショックを受ける。
怒られている外国人は「すいません」と縮こまっていた。
Iさんはクルド人、奥さんは日本人、2人共無神論者だが、お正月などに神社に行って楽しんだりして居た。外に出たら赤ちゃんが出来るといいな。
帰り際に自傷のあとを見せてくれた。かなり深い傷跡が首、胸、腹、腕に…。