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2018.9.12 東京入管面会記録

2018.9.12 東京入管面会記録

 

ちょっと遅めの時間に面会受付にいくと、この日はかなり混んでました。

40分くらい待ってから7階へ。

 

今回面会申し込みをしたのは3名。

イラン出身のSさんと、トルコ出身のクルド人兄弟BさんとHさんです。

 

イラン出身Sさんは体調不良のためお会いできず、差し入れのレターパックだけお渡ししました。

 

BさんとHさんは、先週末にもう1人のクルド人と3人で抗議(「長期収容を止めろ」など大声で叫んだり、自分の身体を切り刻んだり)をしました。大勢の職員に取り押さえられた後は、懲罰房に入れられ、兄弟同士も別々のブロックに移されてしまいました。

 

「抗議」があったのは先週にBさんと面会した次の日のことで、聞いた時には息が止まりそうになりました。

この日会えるかどうかも不安でしたが、2人とも会うことができました。

..Hさん(トルコ出身 クルド人男性)

 

Hさん(弟)は自分の身体を切り刻んでしまい、懲罰房に入れられました。

服で隠れているため傷口の様子は分かりませんが、痛むようです。

(せめてなにか渡したいと思い、ワセリンとビタミン剤を差し入れました)

顔色がとても悪いです。

 

「苦しくて苦しくてたまらないので、長期収容をやめてくれと抗議した。

ここはゴウモンみたいだ。

収容されて一年

来月には妻との結婚記念日なのになにもできない

小さい子供の誕生日にもなにもしてあげられない。

 

仮放免の申請をして40日

どうなるかわからない。

精神的な薬がほしいので、医者に言っている。

 

どんどん痩せてきている。

貧血、血が足りないと思う。

 

弁当が本当に食べられないくらいひどいので、

カップラーメンに弁当をいれて食べたりしている。

 

日本に来てから5年だけど

そのうち2年を入管で過ごしている。

前は1年牛久にいた。

こんなことしてなんになるのか?

 

自分の国があれば、すぐに帰る。

でも帰れない。

帰れないから日本にいる。

 

もしトルコに帰ったら、空港で捕まってしまうはずだ。

飛行機の添乗員から空港に連絡がいくはずだから、空港で取り押さえられ、牢屋に入れられ、ゴウモンされると思う。

 

そとに暮らしている妻と子供が心配。

子供がいると仕事できないし、仕事すると子供の面倒が見れない。

自分がそとにいたら、せめて妻が働く間に子供をみておけるのに。

 

世界のどの国もこんなひどいことはしない。

難民をゴウモンするようなこんなひどいことは。

どうしてこんなことをするのか。

 

お兄さんは、あの抗議があってから何も食べていない、と人から聞いた。

お兄さんのことも心配だ。」

 

..Bさん(トルコ出身 クルド人男性)

 

Bさんは先週の抗議の時には特に怪我しなかったそうですが、ひとりでハンガーストライキを続けています。

 

「今日で4日間、なにも食べていない。

 

先週の抗議の時に、職員からすごい力で押さえつけられて、腕がとても痛い。折れてるんじゃないかと思うくらいだ。

 

『(入管の)ルールを守れ!守れ!!』と大声で言われた。

 

自分も職員に『政府の犬』と罵った

 

力を持っている人間はどこでも同じだ。

あいつらのすることは人間じゃない。

 

6日間懲罰房に入れられていた。

普通のブロックに移されてからも、あまり他の人たちと関われないようにされている。

フリータイムもみんなと時間をズラされている

友達ともガラス越しで会話している。

 

ここ(入管)は、日本の一番きたない部分だ

外国人をこんなとこに集めて、ただいじめている。

 

ここに入れられて、すべて無くしてしまった

奥さんは頭がおかしくなった

息子は学校に通うことができなくなった

やっていた会社もつぶれて

自分に残っているのは、このカラダだけ。

でももう、このカラダも、命も

あげるよ。

入管にあげる。

 

それでいいでしょ?

 

差し入れ、(マルチビタミンのサプリメント)ありがとうございます。

でもわたしはもう何も食べないから、他の人にあげるね。

もしこんど来るときがあったらISS(国際社会事業団)の電話を教えてください。

面会ありがとう。」

 

 

わたしたちは、なにをすればいいのでしょう。

 

入管のバスに揺られながら、ずっと考えていました。

彼らの口からでてくる「ゴウモン」という言葉。

冷たいベッドと、冷え切った弁当。

ここから出たいと訴える、真っ直ぐな瞳。

 

ここはまるで、「絶望」を効率的に生産する「絶望工場」のようです。

 

なにがあっても、どんな属性の人も、このような場所に入れられているべきではない、と強く思います。

BさんもHさんも、

Sさんも

MさんもAさんもお会いしたことのない被収容者の方たち、みんな人間でしょう?

すべての被収容者は、「外国人」であるより先に「人間」ですから、こんなふうにひどく扱われてはいいはずないんですよ。

みんな、自分の人生を生きるべき人たちです。

この国が彼らにしていることは、明らかに間違いです。

わたしたちはこの現状を多くの人に伝えて、間違ったシステムそのものを変えなくてはいけません。

そしてそのためにはたくさんの方の協力が必要です。

 

この「入管問題」をいろんな方に知ってもらうために、情報を拡散していただけるよう、どうぞよろしくおねがいします。