2018.11.28
朝晩の冷え込みが厳しくなってきた今日この頃ですが、入管に収容されている方々も厚着になってきました。
私は隔週で名古屋入管に面会に行っています。収容されている方々の背景、様子などはさまざまで、とても一括りには語れませんが、感じたこと、気づいたことなどを記したいと思います。
①帰国する人が多い
国籍でいうとブラジル、フィリピンの人が多いようです。帰国しても特に迫害などがないからでしょうか。無期限長期の収容に希望を失い、また仮に出られたとしても仮放免、働けない。そんな理由ではないかと想像します。各ブロックの収容人数はかなり減っているとのこと。まさに入管の思惑通りのようです。
②牛久や大村への移送について
正確な人数は分かりませんが、ときどき移送されているようです。被収容者の多くは名古屋入管から仮放免されることはないと思っていて(重篤な病気の人を除く)、その代わり牛久や大村のセンターへ行けば仮放免の可能性があると期待をしているようです。
またセンターに収容されていたことがある被収容者からセンターの様子が伝わっていて、いっそう期待が大きくなっているのでは、と感じます。
③入管法の改正についての関心
面会した多くの人から「この先どうなるんだろう?」という疑問や不安、期待の声を聞きます。
こちらの答えとしては「分からない。ただし現在収容されている方々にとって有利な要因は見当たらない。」
この先「労働者としての外国人」の受け入れが進めば、それに伴い、治安対策が強化されることが予想されます。
どう変わるのでしょうか? 注視したいと思います。
④被収容者の健康問題
被収容者の多くは不眠や視力の低下など拘禁症状が出ています。ほとんどといってよいほど睡眠導入剤を飲んでいます。それとは別に見た目にも重篤な病気と思われる被収容者もいます。
私が面会した方で一人は消化器系に問題があり、固形物は食べられず栄養剤を飲んでいて、体重激減、車椅子で移動しています。シャワーを浴びていて倒れたことが二度あり、現在は同ブロックの人に介助されているそうです。
またもう一人は重度のうつ病で面会していても表情に乏しく、薬の量が多いのかふらついて歩けないため車椅子を使用しています。記憶も曖昧で、いつ来日していつ入管に収容されたのか等の質問にも答えられません。
これらの重篤な病を患っている被収容者については仮放免を出して入院させるべきではないかと強く思います。
⑤名古屋入管の医療体制について
入管問題でよく俎上に上がるのが「医療ネグレクト」ですが、いろいろ話を聞いていると品川よりは名古屋の方がマシという印象です。これは名古屋入管が良心的というよりは収容されている人数の問題だと思います。人数が1/3なら医療を受けられる機会も単純に増えるのだと思います。
それより名古屋入管で問題なのは週2回くる医師の診察です。いくら病人が不調を訴えても「大丈夫、大丈夫」と相手にしないと聞きます。ここも追及していきたいところです。