●Sさん、 南アジア圏出身、女性
差し入れたローズの香りの柔軟剤を喜んでくれました。
Sさんは、布団を9枚使っているそうです。
『6枚は身体の下に敷いて、3枚を掛布団として使っています。収容所内はとても寒い』
あと言葉を濁していましたが、布団の洗濯が2週間に1度しかないことに不満があるようです。
先日Sさんは診察を受けたけど、また受けたいので、明日アプリケーションを書くそうです。
『でも順番待ちが多いので、次にいつ診てもらえるのか分からない。もし順番が来たとしても、薬だけよこして治療はしてくれない』
と、不安そうな顔でおっしゃっていました。
『血圧は上がったり下がったりしてる』
『収容されてから、もともと100kgあった体重が70kg台にまで落ちてしまった』
収容される前のSさんは料理が好きな主婦で、テレビの番組で紹介されるレシピを手帳にメモしながら、料理の勉強していたそうです。色分けされて、丁寧に書き込まれたその手帳を見せてくれました。中でもパフェのレシピがお気に入りのようです。
彼女からは『手帳を色分けして書き混んでいるので、フリクションのいろんな色のボールペンが欲しい』というリクエストがありました。探して見て少しずつでも渡せたら、と思っています。
『大根の皮、外にいたときには捨ててたけど、実は食べられるものなのだと(入管施設に)入ってから知りました』
一刻も早く、彼女が好きな料理を自由に作ったり食べたり出来るようになることを願います。個人的には、彼女がココナッツミルクで作るケーキが気になります。
●面会記録 筆者後記
Sさんが布団の洗濯の話をしている時に少し言葉を濁していたのですが、その様子を見て、収容施設内の換気が効いておらず、あまり良くない臭いで充満しているのかな、というふうに受け取りました。Sさんの口からはっきりと聞いたわけではなく、あくまで個人的な推測ですので、後記に書いておきます。
面会室が並ぶ廊下には、消毒液の鼻をつく臭いが漂っていました。収容施設内の換気システムや温度管理が、本当に適切に設定されているのかどうかが気になります。
医療アクセスの悪さについては予め分かっていましたが、収容されている方と面会して実際にお話を伺ってみると、その医療アクセスの悪さは本当に命取りになるレベルだと感じました。
行政府や法務省のある東京にいて、(こんな言い方は嫌だけど)政府の管理下に置かれている人たちが、なぜ必要とする医療を適切に受けることが出来ないのか、全く理解できません。
インタビュー:C
書き起こし:O
文責:C、O
校正 : L