【#ケニア・ウガンダのLGBT難民にサポートを】

開設日:2023年7月7日
最終更新日:2023年8月14日
【当キャンペーンは2023年12月31日をもって終了しました。】

  1. ウガンダやケニアのLGBTの置かれた状況
  2. ナイロビのLGBT難民シェルター
  3. ケニア警察の恣意的な拘禁、暴力
  4. モンバサのトランスジェンダー難民
  5. ウガンダでホームレスに陥ったLGBT
  6. カンパにご協力ください
  7. ご賛同をお待ちしております
  8. ジャーナリストの方へ
  9. 参考資料

1.ウガンダやケニアのLGBTの置かれた状況

 

アフリカ東部のウガンダ。世界的にはあまり知られていませんが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の2022年の統計では146万人という、世界で6番目に多く難民を受け入れている国です。その一方でウガンダからは、数多くの人々が難民として逃れています。それはLGBTです。

 

英国植民地時代から、民法で同性愛「行為」が禁じられていましたが、1990年代に入ってから米国の宗教右派が東アフリカで積極的な活動に乗り出したことで、ホモフォビア、トランスフォビアが高まり、2014年には最高刑を終身刑とする反同性愛法が成立しました。

【外部リンク/参考記事】
反LGBTQ+のメッセージを世界に発信する米国の宗教右派(和訳、ガーディアン2023.6.9)
https://docs.google.com/document/d/1lGkDRFOx-VCM3Q6xy_PWWgy8tSkru-Xab9kxhuyxHR4/edit?userstoinvite=torapoco@gmail.com&sharingaction=manageaccess&role=writer


後に憲法裁判所により無効化されたものの、今年5月に最高刑を死刑とする反同性愛法が再び成立しました。同性愛を違法化している国は、今年7月現在で64カ国。その中でも、ウガンダの法律は最も厳しいと言われ、最高刑を死刑としている11カ国の一つです。

具体的には、「深刻な同性愛」を行った者には最高で死刑、未遂でも懲役14年(第3条)、違反者が子どもであっても3年以下の懲役(第4条)、子どもに対する「同性愛の助長」は無期懲役(第8条)、同性愛者への不動産物件の貸し出しは7年以下の懲役(第9条)、同性婚式を挙げること、参加することは10年以下の懲役(第10条)、同性愛を促進した者は20年以下の懲役(第11条)、難民、国内避難民、性暴力被害者など保護を必要とする者との同性愛行為を行った第三者を知りながら通報しなかった場合は5年以下の懲役(第14条)などとなっています。自らを同性愛者とアイデンティファイした者を3年以下の懲役とする条項は削除されたものの、LGBTを社会から完全に排除するには「充分」な内容です。

 

法制定前から、警察による恣意的な逮捕、暴力、拷問、投獄、賄賂要求、民衆によるリンチやコレクティブ・レイプ(矯正強姦、性的指向を「矯正する」との名のもとに行われる性暴力)が横行し、法制定後はより深刻になっているといわれています。職場、学校、住居から追われ、家族からも縁を切られ、路上生活を余儀なくされる人もいます。

 

生命の危険を感じた人々は、隣国のケニアに逃れ、難民となります。国境付近にある大規模なカクマ難民キャンプに収容されますが、地元民やホモフォビック、トランスフォビックな難民から襲撃されることもしばしばで、より安全な環境を求めて首都ナイロビに逃れます。

【外部リンク/厳重閲覧注意】
◯ウガンダ西部のカセセ県キシンガでゲイと目された男性が柱に縛り付けられムチを打たれる様子。
https://twitter.com/MosesMbazira/status/1639979428070719488?s=20
◯ウガンダ東部のジンジャ市の女子高の教師がレズビアンだと疑われ、自分の子どもが危害を加えられかねないと心配した保護者が、教師をリンチするために集まった様子。教師は警察に保護されリンチは避けられたものの、後に逮捕された。
https://twitter.com/frankmugisha/status/1631972716843606016?s=20
◯ケニアのカクマ難民キャンプで、4人のレズビアンが殴られて刃物のようなもので刺され、血を流して倒れている様子。
https://twitter.com/Ezer254/status/1284907644491304966?s=20

 

2.ナイロビのLGBT難民シェルター

 

しかし、極めて物価、家賃の高いナイロビで、LGBT難民はホームレスに陥ることも少なくありません。実際、ナイロビ市内のUNHCRの事務所周辺には、数多くの難民が路上生活をしています。赤道直下とはいえ、海抜1800メートルの高地であるため、朝晩はかなり冷え込み、それが原因で病気になり命を落とす人も少なくありません。

そんな人たちをサポートしているのが、自身もウガンダ出身のゲイ難民であるモーゼス・ムバジラが運営するシェルターです。

 

シェルターには常に25人から30人のゲイ、レズビアン、バイセクシャルなどの難民が暮らし、養鶏やレストランを運営しつつ、経済的自立、第三国移住に向けた準備を行っています。雇用を提供することで収入を得られるようにし、自己肯定感を高めるとても大切なプロジェクトで、幸いながらレストランは繁盛しています。

 

路上生活をしていたシングルファーザーと双子の兄弟。一時期シェルターで皆と共に暮らしていました。性的指向を問わず様々な理由で異性との結婚を強いられ出産する事例はよくあるようです。

ナイロビのUNHCRの事務所前で寝泊まりするホームレスの難民たち。

3.ケニア警察の恣意的な拘禁、暴力

 

しかし、運営はしばしば財政的困難に襲われます。

 

近年徐々に改善しつつあるものの、ケニアもホモフォビア、トランスフォビアの強い国。また、同性愛「行為」を違法とする刑法も存在します。ヘイトクライムで怪我をしたり、死亡したりする事例が発生し、警察の家宅捜索、逮捕もしばしば行われます。

 

4.モンバサのトランスジェンダー難民

 

様々な困難にも精力的な活動を続ける彼のところには、ウガンダやその他諸国から性的指向の理由に迫害されケニアで難民になった人々や、行き場を失い路上生活をしていた人々が次々に助けを求めてやってきます。

 

最近では、第二の都市モンバサの路上で暮らし、セックスワークで生きながらえているメリッサというトランス女性から助けを求められました。ソマリアやエチオピア出身のトランス難民6人のケアを行っていますが、警察から性暴力を振るわれるなど、非常な困難に直面しています。

自らもホームレス生活をしつつ、ホームレスとなった他の難民のケアに奔走するメリッサ。

5.ウガンダでホームレスに陥ったLGBT

ウガンダのムセベニ大統領は今年5月26日、反同性愛法に署名し、同法案は成立、同月30日から施行されました。それに伴い、多くのLGBTが仕事や職場を追われています。LGBTに物件を貸すと最高で懲役10年に処されることから、家主は次々にLGBTを追い出しています。そんな人たちは、首都カンパラの路上でホームレスとなって暮らしています。トランス女性団体SRTは、CNNの取材に、法施行後に少なくとも300件の人権侵害が発生し、そこには解雇、アウティング、脅迫、モブ・ジャスティス(リンチ)、コレクティブ・レイプ(性的指向を「矯正」するというレイプ)などが含まれています。

ウガンダの団体が支援に乗り出していますが、摘発されれば同性愛法14条の同性愛奨励容疑で最高で10万ドルの罰金、団体の登録取り消しの処罰を受ける可能性のあるリスキーな仕事です。最終的にはケニアへの出国を目指しているそうですが、人身売買容疑をでっちあげられる可能性もあります。当面は、ケニアを通じての食料支援くらいしかできません。

ウガンダの首都、カンパラの路上で暮らす人々。主にレズビアン、トランス女性、HIVポジティブ、セックスワーカーなど、より脆弱な階層が路上に追いやられています。

6.カンパにご協力ください

 

私たちは、このシェルターの運営を安定化させるための資金と、メリッサとその仲間6人に最低限のケアを行うためのカンパ、ウガンダで路上で暮らす人々のためのカンパを募集します。皆様から頂いた浄財は、メンバーの一人がケニアに向い、直接伝達すると同時に、ケニアの外貨持ち込み制限に抵触する額は、日本にプールしておき、必要なときに送金します。

 

また、シェルターやナイロビ、モンバサ、カンパラに住むLGBT難民の取材を行う(現状では渡航費は担当者の自費です)と同時に、カンパがどのように使われたかについても、Twitter、Facebookなどでご報告いたします。さらに、経済的事情などにより、ウガンダ国内で身動きが取れず恐怖に震えながら暮らしているLGBTの人々へのインタビューなども行い、皆様にご報告いたします。

 

振込先

 

ゆうちょ銀行以外からのお振り込み

 

銀行名:ゆうちょ銀行(金融機関コード:9900)

支店名:〇一八店(読み ゼロイチハチ店)

店番:018

普通預金

口座番号:9613892

口座名:FREEUSHIKU

     (フリーウシク)

 

ゆうちょ銀行からのお振り込み

記号:10170

番号:96138921

口座名:FREEUSHIKU

     (フリーウシク)

   

キャンペーンへのカンパであることがわかるように、可能でしたらお名前の前に「ケニア」と入れてください。

 

また、日本以外にお住まいの方は、ご自身でモーゼス宛てに寄付をすることも可能です。その場合は、FREEUSHIKUまでTwitterのDMまたは、Facebookのメッセンジャーなどでお問い合わせください。

 

 

なお、日本からの送金にはWiseというサービスが便利です。
Wise (旧TransferWise)での、海外送金受け取り方法を徹底解説

https://wise.com/jp/blog/how-to-receive-wise

 

7.ご賛同をお待ちしております

 

8月3日の時点で、以下のグループにご賛同頂いています。引き続き、多くの皆様のご賛同をお待ちしております。個人、団体は問いません。(順不同、敬称略)
◯収容ではなく安心安全な暮らしを
◯TQC東京給水クルー
◯TransgenderJapan

8.ジャーナリストの方へ

ウガンダ、ケニアとはじめとした東アフリカにおけるLGBT難民の件は、英語メディアによる報道がほとんどで、日本ではほとんど報じられていません。個人がSNSを使って伝えるには限界があります。ぜひ現地、特にLGBT当事者の入国そのものがリスキーなウガンダでの取材をお願いしたく思います。

9.参考資料

 

シェルターの代表モーゼス・ムバジラのTwitterアカウント(日本語でも発信しています)
https://twitter.com/MosesMbazira

 

性的マイノリティへの迫害から逃れること―難民とLGBT(難民支援協会)

https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2021/08/lgbt-2/ 

 

難民とLGBT:世界における人権侵害の状況(難民研究フォーラム)

https://refugeestudies.jp/2020/12/lgbt/

 

“同性愛者を理由に迫害” ウガンダ人女性を難民認定 大阪 (NHK2023.4.19)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230419/k10014042851000.html

 

「LGBT」理由に拘束され『3か月間』拷問...母国を逃れたウガンダ人女性 全国初の判決から1か月で難民認定「支えてくれた人全員にありがとう」(毎日放送2023.4.19)

https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2023/04/094260.shtml 

 

「難民鎖国」日本、同性愛迫害での認定わずか3件 入管の問題点は(毎日新聞2023.3.15)

https://mainichi.jp/articles/20230315/k00/00m/040/310000c

 

ウガンダの性的少数者「どこに行けばいいのか」 議会が反同性愛法案を可決、終身刑も(BBC2023.3.30)

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-65108518

 

人生は「地獄」、LGBTQが暴行や人権侵害の被害 過酷な反同性愛法成立のウガンダ(CNN2023.6.30)

https://www.cnn.co.jp/world/35205968.html

【閲覧注意】モーゼスがナイロビの今とは別の場所で運営、後に警察に取り潰されたLGBTシェルター、カクマ難民キャンプでの人権擁護運動、ケニアでの同性愛非犯罪化運動を扱ったドキュメンタリー(BBC2018年放送、英語)

https://youtu.be/aII8aluQNG0


 

シェルターの活動内容、そこに住む人々、出来事についてはこちらのページにまとめました。ぜひご覧ください。